「シャドーハウス」には「シャドー一族」という人間を真っ黒に塗りつぶしたような種族と、そのシャドー一族に仕える「生き人形」という名で呼ばれる種族が登場します。
人間のように話しているのに体が真っ黒な「シャドー」
そのシャドーと同じ造形、かつ人間にも見える「生き人形」
対の存在となっている、この2つの種族について以下より解説していきます。
以下、ネタバレを含みます。
「生き人形」の正体は人間!
「シャドーハウス」ケイトとエミリコのキャラビジュ公開、3月にWeb特番を配信(コメントあり)https://t.co/gMHw1NheMc
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— コミックナタリー (@comic_natalie) February 18, 2021
いきなり結論になりますが、まず「生き人形」というのは正真正銘「人間」になります。
人間でありながら、なぜシャドーハウスで「生き人形」として生きるようになるのか、以下から解説します。
「生き人形」はそもそも近くの村で生まれた普通の子どもたち
そもそも、この「生き人形」というのは、シャドーハウスの近くにある村で生まれた子どもたちになります。
定期的に「シャドー家」が村を訪問し、子供たちを物色して何人かを選別しシャドー家に迎え入れています。
村の大人たちは「子どもたちはシャドー家の館に行けば裕福な生活が保証される」と信じ込んでいるため、子どもたちが連れて行かれることになんら疑問を覚えることはありません。
(これは「シャドー家」より支給されている高性能な燃料「すす炭」から出る「すす」を日常的に吸っているせいで、正常な思考が出来なくなっているためです。どうやらこの「すす」には「洗脳効果」があるようです。)
このような経緯でシャドー家によって村から子どもたちが攫われ、「生き人形」として働かされているということになります。
しかし、村で暮らしていた時期がありながらも、「生き人形」としてシャドー家に仕え始めてからは、自分たちが人間だったということも忘れてしまっています。
また、シャドー家のためだけに生きている生活に何も疑問を感じておらず、むしろシャドー家のために働くことが「最上の幸せ」だと認識していることも伺えます。
(この「思考能力が欠落している様子」は、まさに「人形」という印象を強く感じますね。)
子どもたちがこのような状態になってしまったのは一体なぜなのでしょうか?
「生き人形」はシャドー家から「洗脳」を受けている
「生き人形」となる人間の子どもたちが人間であることは忘れてしまっている理由は、シャドー家から「洗脳」を受けているためです。
シャドー家には、「偉大なるおじい様」と呼ばれるシャドー家の「最高権力者」が存在しており、この「偉大なるおじい様」から抽出される「すす」に「洗脳効果」があることが分かっています。
この「すす」を「珈琲(コーヒー)」に混ぜて子どもたちに飲ませることで「洗脳」が可能となります。
この「すす入り珈琲」は具体的には以下の2つの効果を持っています。
・偉大なるおじい様(シャドー家)への忠誠心で満たす
このうち前者の「短時間の記憶を消す」という効果は、何日間も連続で珈琲を飲ませることによって「持っている記憶を完全にリセットさせる」というように応用することも可能です。
シャドー家に連れて来られた子どもたちは、まず「すす入りの珈琲」漬けにされます。
その影響で、人間だったときの記憶だけでなく自分が人間だったことすら忘れさせられてしまうんですね。
(ついでに後者の効果でシャドー家への忠誠心も向上)
村のこどもたちはこのような「洗脳」を受けることで「人間→生き人形」へと生まれ変わることになります。
(ちなみに、シャドー家の最高権力者「偉大なるおじい様」は2021年3月現在でもほぼ謎に包まれた存在です。この作品のラスボスになる人物だと思われます。)
「シャドー一族」が黒い理由とその正体
「生き人形」の正体が「人間」ということは分かりました。
しかし、なぜシャドー一族はわざわざ人間を村から攫ってきて館に住まわせ、シャドーに仕えさせているのでしょうか?
(シャドー一族がただ生存していくだけであれば、人間と共存していく必要はないように思えます。)
これは、シャドー家が持っている「目的」に関係しています。
「シャドー」という種族が黒い理由や正体・目的を含めて以下から解説していきます。
シャドーの正体は「モーフ」と呼ばれた人間に擬態する生物
「シャドー一族」という種族は、実は元から人間の姿をしていたわけではありません。
元々は「モーフ」と呼ばれる黒い妖精であり、見た目はとても小さく弱々しい姿をしています。
(この時点では言語能力もありません。)
FGO6章のモースとシャドーハウスのモーフどっちも妖精だし影みたいな見た目で似てる pic.twitter.com/92lV13UStK
— てふてふ (@tefu_tefu_180) June 17, 2021
この「モーフ」という生物は「擬態・模倣」を得意としています。
つまり、「モーフ」は「人間」の姿を見ることで、その人間の姿・形に擬態します。
🌚おまけ🌚
モーフ、シャーリーに慣れた皆さんが大きさに混乱しているだろうなと思うので補足。実は📕4巻で出てきているこのコマの通りかなり個体差が大きいです。
その他にも色々と発見があると思うのでたまには前の巻も読み返してみてくださいねー! pic.twitter.com/Fs7xTnKats— ソウマトウ_シャドーハウス11巻☕ (@somatoma) October 6, 2021
このように、複数のモーフが人間を見て、擬態に成功することが出来た「モーフ」が、その人間の「シャドー」となります。
そして、擬態元となった人間がそのシャドーに仕える「生き人形」となります。
(モーフが子どもたちを「見ている」様子はなんとも不気味な光景ですね。。。)
ということで、
「シャドー家」が黒い理由は「元々モーフの姿の時点で黒かったから」であり、そこから擬態して人間の形に変わっただけなんですね。
(私は物語の序盤を読んだ時には「シャドーというのは元々「人間」で、それが何らかの理由で黒くなったのだろう」と予想していましたから、見事に予想を裏切られた印象でした!)
モーフは「人格」を得ることもできる
この「モーフ」は人間の姿を模倣するだけでなく、「人格」を得ることができます。
(作中でも「シャドー一族」は流暢に会話できていますし、人間と同じように感情も持っていることが分かります。)
「生き人形」を見せることで人の姿を認知して擬態した後は、第二段階として「生き人形」の側に置き「ふれあわせる」ことで「人格」を会得させています。
シャドーに対して、1対1で「生き人形」を仕えさせているのはこのためだったんですね。
シャドー家の目的は「生き人形との一体化」
シャドーは第二段階として「人格」を得ますが、シャドーが手間を書けて人間の子どもを洗脳し、「生き人形」として仕えさせる「目的」は何なのでしょうか?
その最終目的は、シャドーが「生き人形」と一体化することで、人を超えた「完全な存在になる」ということです。
簡単に言うと、「生き人形」の体を乗っ取るということですね。
(「生き人形」にシャドーが入り込み、シャドーがその体の支配権を奪います。一方「生き人形」側の意識は消えます。生き人形の「死」とも言えますね。)
この「一体化」によって、「すすを操る力を持った人間」すなわち「人間を超えた存在になること」がシャドー家の最終的な目的になります。
ちなみに、この「一体化」が行われている描写は、非常におぞましい光景となっています。
(↓軽く「閲覧注意」ですかね..)
シャドーがサナギのような繭を作り、その中でシャドーが「生き人形」を蝕んでいきます。
(序盤の緩やかでほんわかした印象はどこへやら、うってかわってエグい描写です。)
これによって一体化に成功した「シャドー」は「シャドーの姿」と「人間の姿」を自由に制御できるようになります。
また、これを経たシャドーは「大人」と呼ばれるようになります。
まとめ
シャドーハウスに登場する「シャドー」と「生き人形」の正体や目的について解説しました。
序盤はシャドーと人間が親しくなっていく緩めの作品だと思いましたが、蓋を開ければなかなか謎が多く、かつけっこうエグい作品ということが分かりますね。
4月から始まるアニメでも、このあたりの不気味な描写をうまく引き出してほしいと思います!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!